三九〇〇年 四月二十六日
今日も失敗した。
手が欲しいと、あれだけ言ったのにまったく聞く耳を持ってくれない。それどころか、今後のやり様によっては手を引くだって? このままでは取り引きすら危ない。そんなことにはさせない。
幸い、陣はまだまだ残っている。山のように書き残してくれたこの魔法陣こそが、唯一形ある愛情の証なのだ。これがある限り、私は前に進んでいける。
それに一つ、分かったことがある。私は確かに出来の悪い子だ。生まれ持ったものだけで考えれば、彼らには到底敵うまい。けれど、彼らは私よりはるかに未熟だ。経験もない、知識もない。常に手探りだ。
その手に、毒を塗った刃物を握らせてやる。