陣書きのクリスマス2014

若きルサ・イルことアクア・ウォーティ、またの名を早瀬河音による大プレゼント交換会
時期設定は完全フリー!いろいろ齟齬は出るけれど季節イベントなのでオール無視!


・スタート!

アクア「クリスマスだからみんなから魔法陣のリクエスト聞きます」
ルビィ「クリスマスってそんなんだっけ?」
アクア「定にプレゼント交換するって習った」
ルビィ「あたしたち交換できないよ」
アクア「使ってもらうのがお返しってことで」
ルビィ「それ何人にやってるの?」
アクア「事務所の人とー、精霊みんなとー、クルスさんにヒュナさんに、ウィンとドーでしょ、エメリアとネイチャー様とあと空也。あ、椎羅と椎矢にもなにかできないかなって」
ルビィ「……大丈夫? 無理してない?」
アクア「普段の仕事に比べたら!」


・うらろ事務所

アクア「おっさん何かおれの陣で欲しいのある?」
所長「お前のー? ……それタダ?」
アクア「プレゼント!」
所長「お、さすがルサ・イル太っ腹。じゃあなー、こないだの作品集で〆切間に合わなくてやめたやつ、あれの完成が見たい」
アクア「りょーかい!」

アクア「オカマさんおれの陣もらえるんだったら、やっぱりいつも言ってるあれがいいですか?」
ヒルダ「あれくれるの!?」
アクア「クリスマスプレゼントです」
ヒルダ「くりす?」
アクア「クリスマス」
ヒルダ「くりすます。ありがとうクリスマス!」
アクア「うわびっくりした」

アクア「始末係さん、いまみんなに魔法陣のリクエスト聞いてるんですけど、欲しいのあります?」
始末係「いいの? なら、カタログの52番がいいわ」
アクア「はいっ! 25日にお渡しするので待っててください!」
始末係「ありがとう」

始末係「25日になにがあるのかしら」

アクア「消しカスさんもリクエストどうぞ」
消しカス「待ってました! 俺はやっぱり30番だな」
アクア「あれ書いたことないですよ」
消しカス「だからだよ。あんまり需要ないし、この機会逃したら書かずじまいだぞ」
アクア「まあたしかに。じゃあ30番ですね」

アクア「ニーさんもどうぞ」
ニーさん「ほ、本当に? 俺も書いてもらえるのか?」
アクア「今回だけですよ!」
ニーさん「落書きひとつくれないルサ・イルが……! リクエストなんて!」
アクア「……ニーさんにはなにか実用的なもの書きますね」
ニーさん「えっリクエスト」
アクア「さっさと使って捨てられるもの書きますね!」
ニーさん「えー!?」


・城、封印の間

アクア「エメリアいるー?」
エメリア「どうした」
アクア「みんなに魔法陣のリクエスト聞いてるんだ。エメリアもどうかなと思って」
エメリア「ほう。ではここの鍵を頼む。管理人が俺しかいないので持ち場が離れられなくてな」
アクア「鍵ね、了解」
エメリア「頼んだ」


・フィル・ネイチャーの庭園

アクア「お久しぶりです」
ネイチャー様「あらアクア。久しぶりですね」
アクア「えっと、人間界の行事なんですけど、みんなにプレゼントするっていうのがあって。おれからは魔法陣なんですけど、リクエストありますか?」
ネイチャー様「それは嬉しいです。あなたが書くならなんでもありがたいですよ」
アクア「でも……」
ネイチャー様「なら、彼女の好きだったものを」
アクア「、はい」


・MADO研究所

アクア「ウィンいるー?」
ドー「いらっしゃい。ウィンなら奥の研究室ですよ」
アクア「あ、ドー。そうだ、ドーにもクリスマスプレゼントあげたいんだけど、魔法陣でリクエストってない?」
ドー「あら素敵ですね。私はあなたの日用魔法陣が好きですよ。部屋の照明なんか柔らかくて」
アクア「ありがとう。じゃあ灯りね」

ウィン「アクアさん、私に用事ですって?」
アクア「おじゃましてます。クリスマスプレゼントにそれぞれ好きな魔法陣書こうと思って、なにがいいか聞きにきた」
ウィン「それはそれはありがとうございます。そうですね……ちょっと研究室へ来てください。見てもらったほうが分かりやすいので」
アクア(本格的なのきた!)


・再びお城

アクア「空也ー」
空也「エメリアから聞いたよ! 魔法陣書いてくれるって?」
アクア「はやっ」
空也「ほんとなんだね! じゃあじゃあ、僕は禁止陣!」
アクア「やっぱり……魔法陣やってる人はチョイスがマニアックだよなあ」
空也「それを君が言う?」
アクア「自分含めだよ」
空也「あはは。まあ専門ってそうなっちゃうよね。仕方ないよ」


・クルスの繕い屋さん

アクア「クルスさん、いま欲しい魔法陣ってあります?」
クルス「いま? うーん、特には」
アクア「いまじゃなくてそのうちでも!」
クルス「なんで必死なんだ? そのうちだったらアイロンの発熱部かな」
アクア「アイロンかあ。書いたことないけど、分かりました!」
クルス「お、アクアが書くのか。いいのができそうだな」


・スノークス家、ヒュナの部屋

アクア「ヒュナさんは欲しい魔法陣ありますか?」
ヒュナ「そうねえ。薬に魔力作用を移すのに使う道具があるんだけど、それに入ってる魔法陣って知ってるかしら?」
アクア「聞いたことはありますけど……見たことはないです」
ヒュナ「アクアくんなら読めば分かると思うから、見て見て! あれを新しくしたいの!」


・五人の家

アクア「てことで遅くなったけど、みんなもリクエストどうぞ」
ルビィ「あたし精霊の魔法増幅するやつ! あとあれ名前つけてよ、呼びにくい」
アクア「陣はりょーかい。名前は……そのうちね」
ルビィ「えー。遅いとあたしが勝手につけるよ」
アクア「それはやめて」

アクア「グロウは?」
グロウ「決めちゅうよ。家の通信鏡の基礎。古うなっちょって、通信先によってすっと切れたりするがよね」
アクア「はいはい。いいけど、設置は業者に頼んでね?」
グロウ「それはかかりつけあるき大丈夫」

アクア「ゴッドなにがいい?」
ゴッド「魔法陣だよな」
アクア「魔法陣だよ」
ゴッド「俺あんま使わねーしなあ」
アクア「そう言わずに、一個くらいない?」
ゴッド「悪い、お任せで」
アクア「えー。そっかー、うーん、なんにしようかな……」

ゴッド「ルビィ、グロウ、ちょっとこっち来い」

アクア「ユール、よく使う陣とかあったら便利な陣とか、いままでの陣で使いやすかったのとか、なんかある?」
ユール「吸収と発散の陣が便利だった」
アクア「あれね! 了解、それ書く」


・学校

椎羅「わ、なにこれ」
椎矢「きれい……キーホルダー?」
河音「そう、銅板に魔法陣彫りつけるの得意な人が事務所にいて。二人がこの陣、見た目が可愛いって言ってたから」
椎羅「これ使えるの?」
河音「それは無理。危ないし」
椎矢「危ない?」
河音「それ家庭用コンロの陣」

河音「ところで二人に聞きたいんだけど、定にはプレゼントどうしたらいいかな? 魔法陣はさすがにダメだろうし」
椎矢「それは男子に聞きなさいよ」
椎羅「ていうか依川はプレゼントないと思うわよ。部活でもそういうの女子しかやらないし」
河音「えっ……」


・放課後

定「よっしゃー終わり! 25日まで学校とかオレら超頑張ったよな」
河音「冬休み短いよなあ。テスト期間とあんまかわんないし、なのに宿題あるしー」
定「それ! でもま、いまはそういうの忘れようぜ。グラコロ行こう!」
河音「へ?」
定「え、知んね? マックだよ」
河音「ああマック。それでぐらころって?」
定「早瀬、お前なあ。テレビ見ろよー」

河音「グラタンコロッケでグラコロ……」
定「オレグラコロのネーミングに感動するやつ初めて見た。うまいだろ?」
河音「うん。あ、そうだ」
定「ん? あっ、おいオレのポテト!」
河音「待って待って! で、はいこれ」
定「……いや、ポテト入れ換えてどーすんの?」
河音「プレゼント交換」
定「は?」

定「そういやそんなこと言ったかもしれなく、もないかも」
河音「自分で言っといて忘れるの早すぎだろー!」
定「ムチャ言うなよ、テストのためにいっぺん頭空っぽにしたの!」
河音「それもどうかと……」
定「ほっとけ! はいはいじゃあプレゼントポテトな。これで満足?」
河音「満足。メリークリスマス」
定「めりくりー」


・五人の家、玄関

アクア「ただいまー」
ルビィ「おかえり! メリークリスマス!」
アクア「えっ?」
ルビィ「アクアにもみんなからプレゼント!」
アクア「わあ……、えっでもおれ、使ってもらうのが交換って」
ルビィ「使わないかもしれない人もいたし?」
アクア「?」
ルビィ「発案と物決めたのはゴッドでー、お金はグロウがいちばん持ってるから出してー、ユールの目利きで選びました!」
アクア「ルビィは?」
ルビィ「買い物の荷物持ちと手渡し役!」
アクア「……」
ルビィ「いいから開けて開けて」
アクア「うん。……和紙だ! しかも詰め合わせ!」
ルビィ「好きでしょ」
アクア「大好き! ありがとう!」

アクア「うわー、これテレビでやってたすっごい薄いやつ! うわー!」
ルビィ「まああとでじっくり見といて。行こう、ケーキあるんだよ」
アクア「うん! うわーほんとに嬉しい。どうしよう、使えないかも」
ルビィ「あはは。1000年もつらしいからそのうち使ってよ」


2014/12/24

メリークリスマス!