うらろ事務所ばっかり
おっさん:所長
アクア:新入り→ルサ・イル
ヒルダ:通称オカマさん。人より陣に恋してる
始末係さん:みんなの断った仕事を一手に引き受けてくれる素敵な女性
消しカスさん:鉛筆専門らしい。男性
うらろ事務所ばっかり
おっさん:所長
アクア:新入り→ルサ・イル
ヒルダ:通称オカマさん。人より陣に恋してる
始末係さん:みんなの断った仕事を一手に引き受けてくれる素敵な女性
消しカスさん:鉛筆専門らしい。男性
所長「線が硬ーい。やり直し!」
アクア「手がかじかむんですよ。暖房入れてくれなきゃ書きません」
所長「おい」
アクア「書きません!」
所長「おい!」
アクア「書ーきーまーせーん!」
他の所員一同(頑張れ新人! こっちもストーブないと凍える!)
所長「つっけんどんなルサ・イルが見られるのは『うらろ事務所』だけ!」
アクア「うるっさい! おっさん黙れっ!」
アクア「オカマさーん、下書き持ってきましたー」
ヒルダ「あらーありがとう! やっぱり新人くんの線は綺麗ねー! ときめくー!」
グロウ「あんたうちらあがオカマって言うたら怒るに、アクアやったらえいが?」
ヒルダ「これは事務所ルールなだけ! 私は女よ?」
グロウ「あっそう」
アクア「そういえば、今年うらろで流行った言葉があって」
ゴッド「何だ?」
アクア「『なんでもするから〆切延ばして』」
ゴッド「……なんでまた?」
アクア「男の先輩で消しカスさんて人がいて」
ゴッド「おう?」
アクア「鉛筆でしか書かないから足元いつも消しカスまみれなんだけど」
ゴッド「おお……」
アクア「その人が前におっさ、所長に『なんでもするから〆切3日延ばしてください』って頭下げたんだ。そしたら所長、いいよって言って『〆切3日延ばす代わりに〆切の3日前に原稿出せよ』って」
ゴッド「……」
アクア「そっからなんかその台詞流行って、みんな使ってたなあ」
ゴッド「それで〆切延びんの?」
アクア「延びるけど延びた分提出が早くなる」
ゴッド「ていう話をアクアに聞いたんだけど、どっかで聞いた覚えがある」
グロウ「うちの父さんや。『あと10分寝かいて』『ほいたら10分後に起こしにくるき、俺が来る10分前に起きちょけよ』やお?」
ゴッド「それだ」
所長「今日かぎりで始末係さんが退職することになった」
アクア「そんなっ! 始末係さん抜きで今月の依頼どうやって回すんですか!?」
消しカスさん「姉さんがいなきゃこの事務所おしまいですよ!」
所長「お前らが選り好みせずに働けばいいんだよ!」
ヒルダ「けど、どうして突然……おうちで何かあったのかしら」
所長「結婚するんだとさ。本当はもっと早く知らせて、引き継ぎもしっかりしておきたかったそうだが、妊娠が分かったらしい」
一同「!!?」
アクア「あの、おれたちがどんなに嫌がる仕事も格好よく引き受ける始末係さんが……」
消しカスさん「服装はフリフリヒラヒラなのにいつも曇りのないスキンヘッドの始末係さんが……」
ヒルダ「ちょっと、そういうの失礼よ! この事務所では私の次に淑女だったじゃない」
ア・消「オカマさんの次に……?」
アクア「おはようございま……うわ、何これ?」
所長「窓開けたら突風が吹いて、みんなの原稿が散らばった」
ヒルダ「おかげでみんなの作品が混ざってぐちゃぐちゃよ」
アクア「おっさん、どれが誰のか分かんないの?」
所長「お前らがふざけて作風変えまくるから分からん!」
所長「とりあえずここにいるやつに等分して渡す。各自、自分の作品を抜いていけ」
アクア・ヒルダ・消しカス「「「はーい」」」
アクア「こっちもうおれのないでーす」
ヒルダ「あ、私その束見てないわ」
消しカス「俺の、俺の、そんでこれも俺の……」
所長「こら! 好みの魔法陣抜くな! 売り物だ!」
ヒルダ「ばれた?」